「腰が痛いのに、なぜ肩甲骨を見るの?」

こんにちは。与野腰痛センターです。
腰痛でお悩みの方の多くは、「腰そのものが悪い」と考えています。しかし、実際に身体を見てみると、腰だけに原因があるとは限りません。
当院では、腰だけでなく肩甲骨や胸郭、骨盤など全身の動きを確認しながら施術を行っています。
その理由は、身体はそれぞれが独立して動いているのではなく、筋肉や筋膜を介して連動しているからです。
特に肩甲骨は、腕だけでなく体幹や骨盤、下半身とも筋肉を介してつながっています。肩甲骨の動きが悪くなると、背骨や骨盤の動きにも影響し、本来分担している動きを腰が補うことがあります。
その結果、腰に負担が集中し、腰痛につながることがあります。
今回は、肩甲骨と腰痛の関係について分かりやすくご紹介します。
肩甲骨は全身の動きを支える重要な役割
肩甲骨は腕を動かすためだけの骨ではありません。
肩甲骨には首や背中、肋骨、腕など、多くの筋肉が関係しています。また、筋肉を介して体幹や骨盤、下半身とも連動しています。
例えば、
- デスクワークで長時間同じ姿勢が続く
- スマートフォンを見る時間が長い
- 猫背になりやすい
- 運動不足で肩を動かす機会が少ない
このような生活が続くと、肩甲骨の動きが小さくなり、背中や胸郭の動きも悪くなることがあります。
すると、本来は肩甲骨や背骨、骨盤などが分担して行う動きを腰が補うようになり、腰への負担が徐々に大きくなってしまいます。
腰痛は「結果」であり、「原因」ではないこともある
身体はすべてが連動しています。歩く、立ち上がる、物を持ち上げる、振り向くなどの日常動作では、肩甲骨・胸郭・背骨・骨盤・下半身が協調して動いています。しかし、肩甲骨の動きが悪くなると、この連動性が崩れることがあります。
その結果、
- 腰の筋肉が緊張しやすくなる
- 腰への負担が増える
- 骨盤の動きが小さくなる
- 腰痛を繰り返しやすくなる
といった状態につながることがあります。つまり、痛みがある腰だけを施術しても、身体全体の動きが改善されなければ、再び腰に負担がかかる場合があります。
肩甲骨と腰はどのようにつながっているの?
肩甲骨と腰は離れた場所にありますが、筋肉・筋膜・背骨・骨盤の連動によって密接につながっています。
① 筋肉のつながり
肩甲骨には17種類の筋肉が付いています。
これらの筋肉は背中から腰や骨盤周辺にもつながっているため、肩甲骨の動きが悪くなると、腰や骨盤の動きにも影響することがあります。
② 筋膜のつながり
筋肉は筋膜という組織に包まれています。
肩甲骨周辺の筋肉や筋膜の動きが悪くなると、背中から腰にかけての動きにも影響し、身体全体が硬くなってしまうことがあります。
③ 背骨の連動
肩甲骨は肋骨や背骨と連動して動いています。
肩甲骨の動きが悪くなると、背骨の動きも小さくなります。その分、腰が余計に動いて補おうとするため、腰への負担が増えることがあります。
④ 骨盤・下半身との連動
歩くときには、腕と脚が左右交互に動き、それに合わせて肩甲骨と骨盤も連動します。
つまり、肩甲骨の動きは上半身だけの問題ではありません。
肩甲骨は筋肉を介して体幹や骨盤、下半身ともつながり、全身の動きを支えています。
腰だけを見るのではなく、身体全体を見る
腰痛があるからといって、必ずしも腰だけに問題があるとは限りません。
肩甲骨の動きが悪くなっているのか、胸郭が硬くなっているのか、骨盤が動きにくくなっているのか。
身体のどこに動きの制限があるのかを確認することが大切です。
肩甲骨・胸郭・背骨・骨盤・下半身がそれぞれ本来の動きを取り戻すことで、腰に集中していた負担が分散されることがあります。
だからこそ、腰痛を見るときには、痛みのある場所だけではなく、身体全体のつながりを見ることが重要なのです。
今回の症例から分かった「身体全体を見る」大切さ
今回ご紹介するのは、腰痛でお悩みの男性の方の症例です。
冷房による冷えなどから体調を崩し、腰から下半身にかけて痛みがありました。特に「洗面時に前かがみになると痛い」という訴えがあったため、実際にその姿勢をとっていただき、身体の状態を確認しました。
検査すると、右肩甲骨周辺、手首、腰、下肢などに筋肉の緊張が見られました。
そこで、まず下肢と骨盤周辺の筋肉を緩め、次に肩甲骨と手首の動きを調整しました。
すると、施術前にはつらかった前かがみの姿勢が楽になり、腰の痛みも軽減していきました。
興味深かったのは、最終的に調整した肩甲骨の動きが改善したことで、前かがみの動作がさらに楽になったことです。
この症例からも分かるように、腰が痛いからといって腰だけに原因があるとは限りません。
肩甲骨は筋肉や筋膜を介して、体幹や骨盤、下半身とも連動しています。そのため、身体の一部分の動きが悪くなると、別の場所に負担がかかることがあります。
だからこそ、痛みのある場所だけを見るのではなく、どの動きで痛みが出るのか、どこに緊張があるのか、身体全体がどのように連動しているのかを確認することが大切です。
腰痛であっても、腰以外の場所に原因が隠れていることがあります。だからこそ、当院は最初から腰だけを見るのではなく、身体全体を見ながら施術することを大切にしています。
「これ、自分の症状に当てはまるかもしれない」と思われた方は、一度身体全体の動きを確認してみてはいかがでしょうか。
